「和菓子の老舗中島」さま 企業訪問

広報活性化委員会の阿良田章二です。当委員会の活動の一つ、会員企業さま紹介として、明治14年から続く老舗「和菓子の老舗中島」さまの代表取締役 中嶋一会員を訪ねてきましたので、その様子をお伝えします。

阿良田:130年あまりの永きに渡りどのような営業を続けておいでたのですか?
中島:最初は博労町、今のNHKがあるところで開業しましたが、初代が城の下で仕事がしたいと、この地に移ってきました。それ以来この場所で和菓子を作っています。むかしは駄菓子も販売していましたが、今は和菓子一本で、先代が会社にしたときにそうしました。不要なものを捨てて何をするのかを考えたのだと思います。観光地で自分が得意な、金沢の和菓子に集中したのかと思います。

和菓子の老舗中島

阿良田:一さんは 何にこだわりを持って仕事をしていますか?
中島:新しい物ばかりでなく、昔から在る物を現代風にアレンジして提供することを考えています。130年続いてきた物を大切にしながら、そこに現代の文化をミックスしてみたいのです。今までに先代が作り上げた物を大切にして、そこに自分の色を加えていきたいと考えています。

阿良田:ホームページを見ましたが、新幹線のお菓子がその表れなのですか?
中島:そのお菓子は、今までのあんこの味を変えずに新しい形を和菓子にミックスすることで、今までと違うニーズを掘り起こせればという研究のような物です。130年の歴史を今に感じてもらう新しい試みと思ってください。今までは風情とかの形が主流ですが、そうじゃない使い方を考えてもらうための商品なのです。味のベースは変えずに形を変えることで、新しい味を感じて欲しいのです。そんな所から新しい若いニーズを開拓できればと思っています。

阿良田:事業継承についてお聞かせください。
中島:実は父親が急にたおれての引継ぎでしたので全く余裕もなく、悲しんでいる暇さえありませんでした。震災の事をテレビで見ながら、大変だなと話している時でした。急なことで何の準備もなく父親は喋ることもできません。とりあえず店を続けるために会計士さん、銀行さんに教えてもらいながらの日々でした。技術は京都で修行していましたので有りましたが、経営のことはまったくわからずに手探りで続けてきました。お金を回すことに精一杯で、しかしそれが甘えることなく継承出来たと今では良かったと思っています。

しかし、そのままでは良くないことは分かっています。どうしたら店を続けることが出来るのだろう。「お前は職人ではダメだ。経営者に成らなくてはいけないんだよ。」と、昔そんなふうに言われたことを思い出しました。急な事業継承で業務は何とかなったが経営の何たるかが分かりませんでした。しかしほとんどの中小企業はそれが現実なのかもしれません。

阿良田:自社の強みはなんですか?
中島:最近自分の新しいパッケージを展開しています。真っ白なキャンパスに自分の色を、新しい伝統を付けて行きたんです。名前は「一色(いちいろ)」です。名前の「一」に、色んな人と出会いたい。そんな想いから名付けました。一つの場所に沢山の思いを集めて、色々な方向性を見つけ出す。そこから新しいものを生み出していければと言う思いでつくりました。

和菓子の老舗中島

今はまだ「これが自社の強みです。」と表現できませんが、きっと「一色」が見つかったときに自信を持って言えると思います。この仕事が私の最初の経営のような感じがします。最初から手がけていると、今では自分の子供みたいで可愛くって仕方がないですね。お客様から、喜んで頂くイメージが湧いてきています。

「菓子作りは、人つくり」とよく言われました。お菓子には人間が出ます。人間を磨くことで良いお菓子が出来ます。経営も人と言いますよね。経営も同じなんですね。人間を磨くことが必要なんですよね。やっぱり、何か繋がっていますよね。

阿良田:もしよろしかったら、次の手を何か教えてください。
中島:また何か新しい展開も考えていますよ。お菓子屋だけどブティックみたいな店を考えています。お客様が色んな好きなものを自分で選んで組み合わせるようなお客様が喜んでいただける変わったことを考えています。今までとは全く違うお菓子販売のスタイルを計画しています。人にはいろいろ言われますが、自分は成功のイメージしかありませんよ。お菓子屋っぽくない。そんなお菓子屋になってみたいです。新しいことをする事が面白くって仕方がないです。楽しみにしていてください。

阿良田:入会した経緯はなんですか?
中島:父が倒れたときに相談したのが経営研究会の金岩さんでした。妻が勤めていた会社の社長さんですが、色々と話を聞いていただいたことが縁です。金岩さんの紹介で例会に参加したところ、とても感動して入会しました。最初はすごく勉強になると思い入会しましたが、何か違う気がしてしばらく休んでいました。委員会活動が自分の思っていたものと違っていたからです。しかし最近何となく再度参加したところ、とても気持ちよく受け入れられて参加する気持ちが湧いてきました。今まで不参加でしたが自分からの気持ちが湧いてきたのです。入って満足していましたが、今からは自分自身がやらないと という思いが大きいですね。自分自身が何かを得ようと考えて動くことで、勉強になるのだと思います。

阿良田:今、社員さんは何名ですか?
中島:パートさんが3名、社員が2名、私と妻の7名です。最近は、仕事の仕方も変わってきました。仕込みだけ私が手がけて、あとは全部まかせています。今は意識してまったく工場にははいりません。私が工場にいると皆さんがやりにくいと考えるからです。昔は常に監視をしてガミガミ言っていました。私が見なければだめだという気持ちが強かったためです。そのために昔からの従業員さんは全員やめてしまいました。自分ひとりぼっちになったこともあります。やめたい奴はやめればいいと思っていました。しかし、そうじゃないと気づいた時から信頼して任せることが出来るようになりました。最近はみんな任せて、自分は自分しか出来ないことをするように心がけています。みんなに任せることで新商品を考える時間もできて、感謝しております。時間の大切さが分かってきました。四六字中仕事をするのではなく、休むときは休む。職人の世界では一日中仕事をしている奴は要領が悪いと言われます。二日掛ることを一日で仕上げることが良しとされるのです。時間をうまく作ることが大切だと思います。最近家族との時間をつくっています。家族ってたいせつだな。と最近すごく思っています。今後も皆さんから勉強させていただき、もっと良い会社にしていきたいと考えています。

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